奥さまは魔法少女エンディング製作裏話
『平安橋の裏がわからない!』
それはある日突然に(執筆再開?)※1
2005年初夏、その日は突然おとずれました。
以前私が携わった作品で監督をされていた錦織博さんから、“奥さまは魔法少女”(以後“奥まほ”)という作品のエンディング背景を描いてもらえないか、というお話があったのです。
仕事の依頼は大変ありがたく嬉しいものの、通常であれば本編を担当されている美術さんが描かれるのが普通だし、私なんぞがしゃしゃり出ていってよいのだろうかというのが正直な気持ちではありました。(ありがたく嬉しかったのは本当なんですけどね)
そんな気掛かりな点はありましたが、とりあえずお話は伺ってみねばということで、6月8日に打ち合わせをすることになりました。
※1このコンテンツは2005年にスタートしたものの、工事中のまま一向に進む気配がありませんでした。
そんな中、2006年8月に突然執筆が再開され、その時に「話中の出来事よりも、執筆再開の方がよほど突然だ」という皮肉を込めてこの見出しとあいなりました。
6月8日
さて、打ち合わせ当日、久々の再会を喜びながらも早速仕事の話です。
まず私が驚いたのは、舞台となる萩の資料を拝見して、恥ずかしながら『日本にこんな素晴らしい町があったのか!?』ということでした。
しかも山口。実は私の愛車は山口の店で買って(もちろんネットで探して、ですが)、乗って帰ってきたという経緯もあり、何か浅からぬ縁を感じました。
そんなこともあり、仕事内容的には大変な部分もあったのですが、錦織さんからの依頼でもあり、この仕事は快諾することとなったわけです。
平安橋の裏がわからない!
さてさて、そんなこんなで仕事のスタートとあいなりました。
そのエンディングの最初のカットは“平安橋”を下から見上げたアングルのものでした。
こんな感じ
平安橋自体、私は初めて知るのですが、作業用にいただいた資料の中には橋の裏側が見えるようなものがありません。そもそも橋の裏を見るには川に入らなければならない場合だってありますし、そのような写真が無くても仕方がないのでしょうか。
橋の裏を見せる絵なのに、困りました、橋の裏がわかりません!
ネットでも探しましたが写真のサイズや画質が今一つで、なかなか「これ」というのがありません。
そんな中で一つわかったのは、この平安橋がゲルバー桁と呼ばれる構造で作られているということ。さて、これまたよくわからないものが出てきました。
今度はゲルバー桁橋についてネットで調べることになりました。
ゲルバー桁橋
“ゲルバー桁橋”一般には耳なれないこの単語。ネット上でも詳しいものはあまり見つけられなかったのですが、幾つかの情報から次の図のような構造であることがわかってきました。
つづく…
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